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コマイタチゴケ

Leucodon coreensis

2018/9 明治温泉(長野県茅野市)

 

落葉樹林帯の尾根、やや湿った岩に着生していました。

イタチゴケの仲間と思われますが、枝の長さや翼細胞など、かなりイタチゴケとは特徴が違うようです。

野口図鑑にあたると、Leucodon coreensisが概ね合致しているようです。

 

1. 枝(二次茎)は茎から這い上がるように伸びます。葉は乾くと枝に密着し、固い感じになります。

2. 枝は長さ1cm程度でそろっており、長いものでも2cmまではないようです。

3. 湿ると葉は多少は開出します。

4. 茎には小さめの葉がみられます。仮根も。

5.  枝の断面です。中心束はありません。

6. 茎葉。長さ1mm未満。先は糸状に尖ります。基部は黄色~オレンジ。

7. 枝葉。長さ1-1.5mm。縦しわが何本もありますが、中肋はありません。

8-9. 翼細胞は葉の1/3程度は明瞭に分化しますが、ほぼ全周にわたって、翼細胞っぽい形の細胞が見られます。

  基部は黄色、葉頂まで全縁です。

10. 翼細胞は10-15㎛程度で、かなり厚壁です。

11. 中心部の葉身細胞は30-40×5-7㎛程度。比較的薄壁。

12-13. 葉上部の細胞は厚壁で、中心部よりはやや幅広くなります。かすかにくびれのある細胞も見られます。