Bryum paradoxum
1949/9 旧三輪村(愛知県新城市または東栄町)
高木コレクションのヤマハリガネゴケとされる標本を観察しました。
70年前の標本とはいえ、とても良く保存されています。
雌雄同株ではないと思いますが、はっきりと確認できません。
雌雄異株とすれば、平凡社で検索するとヤマハリガネゴケということになります。
1. よく蒴をつけています。
2. 蒴柄は2cm程度で、蒴は水平に傾きます。
3. 乾くと葉はやや巻縮し、圧着するようです。
4. 湿ったところ。
5. 蒴は円筒状で長く、頸部は少しずつ細くなります。
蓋はドームのような丸みを帯びた円錐形で、先端には小さな突起(嘴)があります。
6. 蒴歯。
7. 葉は大きいもので2mmくらい。卵状披針形で鋭頭、中肋は短めに突出します。
8. 葉身細胞は長さ35-50㎛、幅7-10㎛くらいで、やや厚壁に見えます。
9. 基部の細胞はやや幅広い、丸みを帯びた方形で、付け根部分は赤味を帯びていました。
10. 葉縁は、葉全体にわたって狭く反曲しています。
細長い細胞の舷があるようにもみえますが、反曲のため、はっきりとは確認できません。