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サクラジマホウオウゴケ

Fissidens crispulus 

2019/11 雄川渓谷(鹿児島県南大隅町)

 

渓谷沿いの遊歩道に面した石積みに、ひときわ鮮やかな黄緑色の、やや小型のFissidensが群生していました。

茎頂に造卵器があり、葉腋瘤が顕著にみられるので、F. crispulusだと思います。

それにしてもFissidensは岩に着生していることが多く、小型だと採集するのが大変です。

1. かなり古そうな苔むした石積に着生していました。

2-3. 茎長2mmくらいで、茎頂に造卵器がついていました。

 普通葉にも苞葉にも葉の周りの舷は無いようです。

4. 乾燥すると葉先が縮れますが、基部はあまり縮れないようです。

5. 葉は長さ2mmくらいで幅が0.2-0.3mmと細長く、中肋は葉先に達しています。 

6. 腹翼。基部付近の細胞は平滑ですが、葉先に近づくとパピラが見られました。

7. 上翼と背翼の細胞は5-8μmくらいで、丸みを帯びた多角形。1個のパピラ、あるいは大きなマミラ状です。

8. 葉をはがしてみると、葉腋瘤が確認できます。顕微鏡でないと見落としてしまいそうです。

9. 葉腋瘤は腹翼に包まれています。どういう機能があるんでしょうか?