ミヤベツノゴケ

Folioceros fuciformis

2020/2 奄美大島(鹿児島県大和村)

 

渓流の、増水時には水没する露岩に生育していました。

胞子や弾糸からみて、Foliocerosとしてよいと思います。

はっきりとした無性芽が見当たらないのでF. fuciformisとしましたが、

奄美大島には無性芽をつけるF. appendiculatusもあるようです。

これもF. appendiculatusのような気もします。

2. 生育地は時々浸水すると思われる、渓流の岩盤。

3. 葉状体は多くの枝、もしくは切れ込みが見られます。

4. 葉縁には無性芽のような細胞塊も見られました。

 葉状体背面には特に突起物や無性芽などは見られませんでした。

5. 葉縁

6. 葉状体の表皮細胞。ピレノイドは各細胞に1個。

7. 葉状体の横断面。内部には大きな間隙がたくさんあります。

8-9. 間隙内には生殖器が。

10. 蒴壁。気孔があり、蒴壁の表皮細胞は線状。

11. 胞子は直径35-40μmくらい。やや黒っぽく、細かいパピラで被われます。

 求心面のY字条溝は不明瞭でした。

12. 弾糸は非常に厚壁です。端細胞のも多細胞のもあるようにみえました。