ケナシオヤコゴケ

Schistochila nuda

2020/2 奄美大島(鹿児島県大和村)

 

一見するとヒシャクゴケ科のように見えますが、背片が腹片の中央から出ているという珍しいコケです。

ヤクシマオヤコゴケには腹葉があるらしい、ケナシオヤコゴケは腹片がほぼ全縁ということで、消去法でフィリピンオヤコゴケとしておきます。

 

2020/9訂正

フィリピンオヤコゴケとしていましたが、ケナシに訂正しました。

フィリピンは徳之島でしか見つかっていないということですし、鋸歯も葉先あたりに多いので、ケナシの方が妥当な気がします。

2. 高木の樹幹に着生していました。

3. 茎の長さは3cmくらいになります。

4. 腹面から。腹葉は見当たりません。

5. 茶色の仮根を茎腹面から出しています。

6. 背面から

7. 背片は少し重なります。

8. 腹片は長さ3mm、鈍頭です。

 背片は腹片の3/5長で鈍頭、腹片の中央付近からついています。

9. 腹片の上半分には鋭歯が散在しています。

10. 歯

11. 葉身細胞は平滑でややトリゴンが大きい。

 油体は各細胞に30個くらいはありそうで、小粒の集合に見えます。

12-13. 腹片の基部、背面側には造精器でしょうか。