Cololejeunea uchimae
2020/3 父島(東京都小笠原村)
友人から小笠原のコケの標本をいくつかいただきました。
クサリゴケ科が3点ありましたが、いずれもC. uchimaeのようでした。
小笠原では最も普通のクサリゴケなのかもしれません。
平凡社図鑑ではC. pakseanaムニンキララゴケというのもありますが、最新の分類ではこれはC. uchimaeのシノニムということですので、C. uchimaeとしておきます。
2. 基物はタコノキと思われます。このほか、樹皮や石などに着生していたようです。
3. 植物体は扁平で、基物の上をぴたりと張り付いていました。長さは5mm以上はありそうです。
4. 茎幅は、広いところで葉を含めて1.5mm近くに達します。
5. 葉の上に円盤状の無性芽がついていました。大きいものでは径70μm以上はあります。
6. 花被は5稜のようです。
7. 花被の中には 造卵器をつけているようです。
8. 腹片は舌状で細長く、2つの歯が発達しています。
第1歯は丸みを帯びていて、先端には透明細胞がついています。
第2歯はやや小さく、細長くなるものが多いようです。
腹片の付け根、茎よりには単細胞のスチルスがあります。
9. 腹葉は見られず、短い透明の仮根が生えています。
10. 葉に比べて茎がとても細いのが特徴のようです。
焦点を茎の中央付近に合わせましたが、髄細胞は1個しかないようです。
表皮細胞は5個くらいのようです。
11. 葉身細胞は平滑でトリゴンが小さい。油体は各細胞10-20個くらいで微粒の集合でした。