Dicranum undulatum
2019/10 乳岩峡(愛知県新城市)
葉の上半分が波打っています。
ナミシッポゴケD. polysetumかと思いましたが、葉身細胞の形状が全く異なっていました。
ナガシッポゴケD. drummondiiというのもあるようですが、生育地、生育環境からして、D. undulatumとしてよいでしょう。
2. 比較的開けた、腐植土混じりの斜面に一固まり、生えていました。
3. 茎は10cmくらいに達する大型のシッポゴケです。
茎の上部で分枝しています。
4. 乾くと葉はやや縮れます。
5. 湿っても、シッポゴケD. japonicumのように葉が開出することはないようです。
6. 葉の上半分はD. polysetumと同じくらいに波打っています。
7. 茎は全体に、白~褐色の仮根でおおわれています。
8. 葉長は5mm以上で、上半分がやや急に細く披針形になっています。
9. 翼細胞は明瞭に分化していますが、中肋と翼細胞の間には透明の区画が挟まっています。
10. 翼細胞
11. 透明の細胞の区画に焦点を合わせています。
12. 葉の下半分の葉身細胞は、長さ50㎛くらいでやや厚壁、くびれがあります。
13. 葉の上部には不規則な小さい鋸歯があります。
14. 葉先
15. 葉先の中肋背面には数個の鋭い歯があります。
16. 葉上部の葉身細胞。大きさや形は様々ですが、10μmくらいが多く、平滑でやや厚壁、くびれなどはありません。
17. 葉の断面。ステライドは背腹両側にあります。