コモチミドリゼニゴケ

Aneura gemmifera

2020/7 津具(愛知県設楽町) Alt. 1,000m

 

スジゴケ科だろうと思います。側面から不規則に二又状に分枝しています。

genus Aneuraで無性芽をつけるのは、日本ではgemmiferaしかないということですのでgemmiferaとなります。

東京や千葉の都市部で記録があるようですが、あまり情報がありません。

有識者にお聞きしたところ、関東以南の渓谷の崖が本来の生育環境ですが、道端、水田、温室などでも生えているそうです。

生殖器の確認が不十分ですが、それ以外はgemmiferaの特徴にぴったり当てはまるようです。

2. 林道脇のアスファルト上、常に水が流れているようなところにありました。

 サワゴケが一面を覆っており、その間混じって広がっていました。

3. 葉状体の先端や脇にはたくさんの無性芽をつけています。

4-6. 無性芽はマラカスのような形をしています。

 単細胞列の足のようなもので葉状体とつながり、先端は球状に膨らみます。

7. 葉状体の表皮細胞は50㎛位の6角形です。

 表皮細胞にも内部細胞にも油体が10個以上あります。

 油体は微粒の集合で、やや灰色を帯びています。

8. 横断面。幅は3mm前後で、中心部の厚さは0.3mm程度。

9. 横断面の端部。

10. 内部細胞は表皮細胞の倍以上になります。

 表皮細胞はややマミラ状に膨れる傾向があるようです。

11. 造精器でしょうか?