Trichostomum crispulum
2020/8 石巻山(愛知県豊橋市)
石灰岩の岩壁に、イクビゴケのように葉を展開してまばらに着生しているコケがありました。
同定の決め手に欠けますが、大きさ、茎の色や中心束、葉の形など総合的に見て、チヂミクチヒゲゴケではないかと考えます。
2. 垂直に切り立った石灰岩の岩壁が基物です。
3. 乾くと葉はハマキゴケのように内側に管のように巻き込みます。
4. 湿っても、葉は内側にゆるく巻きます。(写真はちょっと湿り切っていない状態のようです)
5. 茎長は5㎜くらいまででした。茎は黒色で下半分には仮根がたくさんついています。
石灰岩の粉が絡みついています。
6. 茎の表皮細胞は大きく、弱い中心束があるようです。
7. 葉は3mmくらいまで。
全体が中肋でゆるくキールし、僧帽状です。
8. ステライドは背腹両側にあります。
中肋腹側の表皮細胞は、葉身細胞とほぼ同じで、パピラもあるようです。
9. 中肋は葉先から短く突出します。この部分にはパピラはありません。
10. 葉身細胞は5-7㎛くらいですが、輪郭は不明瞭、小さいパピラが多数あります。
11. 基部より少し上の葉身細胞。縦長でやや厚壁、平滑。
12. 葉の付け根には透明、薄壁のやや大きい細胞です。