キハネゴケ (fo. stipulata)

Plagiochila trabeculata

2020/9 不動沢(山梨県北杜市)Alt. 1,500m

 

白緑色の元気のないコハネゴケのような雰囲気です。

大きな腹葉?のあるハネゴケは初めて見ました。

古い文献ではfo. stipulataとされているタイプのキハネゴケだと思いますが、キハネゴケと比べると葉の鋸歯も多い、腹葉が大きい、葉身細胞のベルカなど、全く雰囲気が異なります。

2. 沢から少し上がった林道沿いの岩に着生していました。

 写真中央の色の薄いコケの塊です。

3. 茎葉2-3cmくらいで、分枝は少ないです。

 コハネゴケのように葉が脱落したり、途中で折れたりすることは少なそうです。

4. 背側。葉の背面基部は下延しています。

5. 腹側。腹葉?が斜めについています。

 ハネゴケ類の腹葉は数細胞の小さいものだと思いますが、こんな巨大なのもあるのですね。

6. 枝は側生。

7-8. 葉は2mmくらいで、長さは幅の2倍以上。

 葉先は2裂する傾向がありますが、鋸歯は10以上あります。

9-10.  腹葉は0.5-1mm。2裂するものが多いですが、裂けないのもあります。

11-12. 葉身細胞は20-30㎛で、薄壁、トリゴンは小さい。

 表面はすりガラス状のベルカのようです。油体は消えてしまって観察できませんでした。