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ヒラトラノオゴケ

Thamnobryum planifrons

2019/7 作手菅沼(愛知県新城市)

 

手持ちのThamnobryumの標本を見直してみたのですが、図鑑の記述に全て一致するような標本がほとんどなく、同定が難しいですね。分類学的にも未解明だということで、今後の進展を期待します。

 

標本の中に、葉が非相称で全体が扁平なものが混じっていました。

平凡社の検索表に従って、とりあえずヒラトラノオゴケとしておきます。

野口図鑑の記述にもよく合致しているように思います。

2. 人工林内の土砂混じりの崖に生えていたように記憶しています。

3. 二次茎は扁平に、1回~2回羽状に枝を展開し、キダチヒラゴケのような雰囲気。

4. 二次茎の葉はやや扁平についています。

5. 枝葉も扁平につきます。

6. 二次茎下部の葉は小さいですが、キダチヒダゴケほど小さくはないです。

7. 二次茎の葉。長さ2.5mmでやや非相称。全体に微歯があり、先端部の鋸歯は少し粗目です。

8. 枝葉は茎葉よりやや小さく、左右非相称。

9. 枝葉には鋸歯があり、先端部は不規則な荒い歯となります。

10. 枝葉の中肋背面には数個のトゲがあります。

11. 葉身細胞は平滑で、10~20µm。

12. 基部の細胞はやや細長く、25~50µmくらい。