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アオゴケ

Saelania glaucescens

1966/6 惣田(愛知県豊田市) Alt. 400m

 

高木コレクションから。

アオゴケは高山に分布するとされていますが、愛知県内では低地でも記録があります。

石灰岩混じりの土壌に生育するともいわれますが、産地付近には石灰岩もないように思われます。

植物体が青みを帯びるということです。古い標本のため青くはありませんが、古い割には何となく青いようにも思えます。

茎が結構枝分かれしているのも特徴でしょうか。

2. 葉は茎の下部では短く、先端付近では長くなります。

 写真は湿ったところですが、乾燥してもあまり縮れません。

3. 標本全体に白カビのようなものが広がっていました。

 これは保存状態が悪かったのではなく、アオゴケの青さの原因物質のようです。(菌類と共生?)

4. キンシゴケ科らしい糸状の蒴歯がみられます。

5. 口環も少し残っていました。

6. 蒴歯は全体に細かなパピラで被われています。

 

7. 茎下部の葉は0.5~1mmくらい。

8. 茎上部の葉は3mmくらいあります。

9. 葉は、中部付近では狭く外曲しているようにも見えます。

 先端付近では鋸歯があります。

10. 翼細胞は分化しません。

 葉身細胞は葉中部とほぼ同じかやや長い程度。

11. 中肋背面

12. 葉身細胞はやや厚壁で平滑、ブロックのように整然と並んでいます。

13. 葉先端には少し鋸歯があります。

 (サフラニンで少し赤く染まってしまいました。)

14. 茎の断面。表皮細胞は厚壁で、中心束がよく発達しています。

 サフラニンで赤く染まってしまいました。

15. 葉の断面。葉身細胞が丸みを帯びています。

 中肋も円形でステライドが背腹両側に発達しています。