タラダケヤスデゴケ

Frullania taradakensis

2021/5 鷹ノ巣山(愛知県新城市) Alt. 1000m

 

Frullaniaの同定はいつも悩みます。

カゴシマヤスデゴケかと思いましたが、腹葉の切れ込みの形がちょっと違うイメージのなのと、暖地を好む種だということで、schensianaだと判断しました。

カラヤスデゴケなどと比べるとかなり大きい印象です。

 

2023/6

  識者にご指摘いただき、再検討した結果、F. taradakensisに修正しました。

スチルスが長い、腹葉の幅が広く切れ込みが弱い、腹片の内曲が弱いことなどによります。

 

2. 樹幹着生です。

3. 茎はかなり頻繁に分枝します。

 途中できれてしまってますが、4-5cmくらいはありそうです。

4. 腹面。腹葉はやや重なる程度。

5. 腹葉を取り除いたところ。腹片はやや横長のヘルメット型です。

 くちばしも明瞭で、やや内曲するようです。

6. 背面。

7. 花被は3稜で、イボなどはありません。

 干からびた胞子体が残っていました。

8. 背片は1.5mmくらい。

 腹片は背片の1/2くらいの大きさです。

9. 腹葉はやや横長で全縁。茎の4倍くらいの幅があります。

 先端が葉長の1/5程度が裂けています。

10. スチルスは長いものでは100μmくらいありました。

11. 葉身細胞はトリゴンが小さく、肥厚もあまり見られません。

12. 雌苞葉。腹片は披針形で鋭頭です。写真では基部で折りたたまれてしまっています。

13. 腹雌苞葉。

14-15. スチルス。6-8細胞長さ、基部は2細胞幅です。

  shensianaのスチルスは3細胞長、taradakensisは4細胞長ということになっていますが。