· 

チヂレサヤゴケ

Glyphomitrium crispifolium

2020/5 段戸裏谷(愛知県設楽町) Alt. 900m

 

手持ちのサヤゴケの標本を見直していたら、一つだけ変わったものが混じっていました。

雌苞葉が長く、葉身細胞はかなり厚壁でパピラがあるようです。

葉縁も2細胞層になっているので、チヂレサヤゴケだと判断しました。

2. 生育地は、池端の樹幹でした。

3. 写真では雌苞葉が蒴の下部まで届いていますが、蒴の中部や上部まで届いているものも多いようです。サヤゴケの雌苞葉は、普通は蒴の下部くらいまでのように思います。

4. 蒴は、サヤゴケとの違いは感じられません。

5. 帽もサヤゴケとそっくりです。

6. 蒴歯。

7. 乾いた葉。サヤゴケよりはやや縮れる傾向がありそうですが、はっきりとした違いはありません。

8. 葉は長いもので2mm以上。

 葉縁は平坦で反曲しませんが、やや暗く縁取られています。

 サヤゴケは反曲することが多く、このため縁取られて見えることがあります。

9. 葉上部の葉身細胞。厚壁でマミラが確認できます。

10. 葉中部の葉身細胞。やや厚壁で、やはりマミラがあります。

11-12. 葉基部には透明で長方形の細胞の区画がありますが、あまり明瞭でない葉もあるようです。

13. 葉縁は2細胞層のことが多いようです。

14. 内雌苞葉(写真では2つに折りたたまれている。)は4mm以上あり、上部は細長くとがります。

15. 外雌苞葉は比較的短い。