マルバコオイゴケモドキ

Diplophyllum andrewsii A. Evans 

2021/7 段戸裏谷(愛知県設楽町) Alt. 900m

 

ノコギリコオイゴケやアカウロコゴケ、シタバヒシャクゴケなどに混じって、ところどころに生えていたコケです。

主茎の中ほどに雄苞葉が付き、その下から大きな花被を横向きに出しています。

葉先が丸く、鋸歯もほとんどないので、マルバコオイゴケモドキで間違いないでしょう。

2. 別の個体。茎は5mm程度。やはり主茎に雄苞葉が付き、その下から花被が出ています。

3. 生育地はやや日陰の湿った土崖でした。

4. 雄苞葉は赤みを帯びていました。

5. 大きな筒状の花被。

6. 葉は少し重なる程度。

7-8. 腹片は大きいもので1mmを少し超えるくらい。

 葉先は丸く、ほぼ全縁です。腹縁基部(写真左上部分)には弱い鋸歯があります。

9. 葉身細胞はトリゴンが小さく、油体が各細胞に2~3個あります。

 写真ではわかりにくいですが、細胞表面にはかすかにイボ状のベルカがあるようです。

10. 葉基部(背片)の細胞はやや大きくなりますが、明瞭な区画は見られません。