コテングサゴケ?

Riccardia pusilla  2022/10 屋久島(鹿児島県) 300m Alt.

 

屋久島の照葉樹林帯の山道で見つけました。

小型のスジゴケ類で、葉縁の細胞が凸状なのが特徴的ですが、同様の特徴を持つクシノハスジゴケよりはかなり小さい印象です。

とても長い雄小枝をたくさんつけていました。長すぎるのが気になりますが、この点を除くと概ねコテングサゴケの特徴に合致しますので、コテングサゴケ?としておきます。

 

コテングサゴケはFuruki(1991)では雌雄異株とされていますが、Mizutani & Hattori(1957)では雌雄同株とされているようです。真相はどうなんでしょう?

2.やや日当たりの悪い照葉樹林内の腐木の一部を被っていました。 

3. 葉状体は5mmくらいで、やや規則的に分枝しています。

 雄小枝を多数つけています。花被もついているので、雌雄同株です。

4. 枝は長さ1-2㎜くらい。かなり透明感があります。

5. 枝の横断面。葉縁の単細胞は3-4列くらいはあります。

 中央部でも3細胞の厚さしかありません。

6. 表皮細胞は長さ30㎛くらい。油体は15㎛くらいの微粒集合ですが、無い細胞の方が多く、ある細胞では1細胞に1個のみです。

 葉縁の細胞は凸状に膨らみます。

7. 内部細胞は表皮細胞よりやや大きく、油体があります。

8. 雄小枝は1.5‐2㎜くらいあります。

9. 雄小枝の拡大。造精器腔に空気が入っています。

10. 伸長前の胞子体(カリプトラ)。